【鼠径ヘルニアの手術方法】鼠径部切開法と腹腔鏡手術を解説!
大阪・梅田の鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」です。
当クリニックでは日々、鼠径ヘルニアに特化した診療、ならびに内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術を行っています。
この記事では、「鼠径ヘルニアの手術方法」についてご紹介します。
鼠径ヘルニアとは
まず初めに、「鼠径ヘルニアの病気の概要」についてご紹介します。
鼠径ヘルニアは、太ももの付け根(鼠径部)の筋肉に穴が開き、鼠径部の膨らみを認めるとともに、腸をはじめとした臓器が外に飛び出す病態を指します。一般的に、脱腸とも呼ばれる病気です。
鼠径ヘルニアは小児によく見られる病気ですが、成人、特に40代以上の男性にも頻繁に発症します。研究報告によれば、男性の3人に1人が鼠径ヘルニアを生涯に一度発症するともされています。
典型的な症状は、鼠径部にピンポン球のような膨らみが現れることです。この膨らみは、立っている時や力を入れるときに大きくなり、横になるか力を抜くと膨らみが凹んだり消えたりします。
鼠径ヘルニアは自然治癒することはなく、治療には手術が必要です。ヘルニアバンドで穴を防ぐなどの対策がありますが、日常生活を送る中で適切に穴を防ぎ続けることは実質的に困難です。
治療は、主に「内視鏡(腹腔鏡)手術」と「鼠径部切開法」の2種類があります。
鼠径部切開法と腹腔鏡手術の違い
鼠径ヘルニアの主な手術となる鼠径部切開法と腹腔鏡手術の違いですが、 端的に言うと、「どうやって鼠径部のヘルニア部位に到達するか」にあります。
鼠径部切開法は、鼠径部に4cm程度を切開し、ヘルニア部位に「前方から」到達します。一方で、内視鏡手術はお腹に5〜10mm程度の切開を3ヶ所置き、細長いカメラと鉗子を使い、お腹を経由してヘルニア部位に「裏側から」到達する方法です。
鼠径部切開法のメリット・デメリット
鼠径部切開法は、ヘルニア部位を修復する方法に応じて、以下の方法に分かれています。
■組織縫合法
組織を縫い合わせてヘルニア部位の穴を縫い閉じる方法
■リヒテンシュタイン法
ヘルニア部位を含む鼠径部全体を、前側からシート状メッシュで覆う方法
■プラグ法
プラグと呼ばれるメッシュ由来の人工補強材を使って、ヘルニア部位に上から栓をする方法
■腹膜前修復法
ヘルニア部位の裏側(筋膜の穴の裏)に広くシート状メッシュを挿入する方法
※メッシュについて
鼠径ヘルニアの手術で用いられるメッシュは、ポリプロピレンに代表される合成繊維から作られています。
メッシュを使用する手術は、いずれも治療成績に優劣なく安全に行われます。一方で、組織縫合法はメッシュを用いない代わりに疼痛や再発が多いと報告されています。
また、鼠径部切開法には内視鏡手術に比べて以下のようなメリット・デメリットがあります。
鼠径部切開法のメリット・デメリット
■メリット
・古くから採用されている手術方法
・局所麻酔、脊髄麻酔での手術が可能
・手術時間が短い(片方40分程度)
・治療費が安価(日帰り、高額療養費制度適応で約60,000円)
■デメリット
・傷が大きい(片方4cm程度)
・術後合併症の慢性疼痛の頻度が高い
・稀に隠れた別の鼠径ヘルニアが見逃されることがある
・両側鼠径ヘルニアの日帰り同時手術が困難(両側に傷ができるため)
腹腔鏡手術のメリット・デメリット
腹腔鏡手術は鼠径部切開法に比べて、以下のようなメリット・デメリットがあります。
腹腔鏡手術のメリット・デメリット
■メリット
・傷が小さく、痛みが少ない
・術後合併症の慢性疼痛が少ない
・両側の鼠径ヘルニアを同じ傷、日帰りで同時に治療が可能
・稀にある隠れた別の鼠径ヘルニアを見逃さない
・ガイドライン上、女性の鼠径ヘルニアに推奨
■デメリット
・手術時間が長い(60分程度)
・習熟した外科医の技術が必要
・全身麻酔が必要
・治療費が高価(高額療養費制度適応で約80,000円)
まとめ
鼠径ヘルニアの主な手術には、鼠径部切開法と腹腔鏡手術があり、それぞれ異なるメリットとデメリットが存在します。どちらの手術にも違いがありますが、最も重要なことは「いかに安全かつ確実に、質の高い医療を提供できるか」です。
その観点から、当院では執刀医である院長が得意とし、傷が小さく痛みが少ない腹腔鏡手術を第一選択の治療法として採用しています。この腹腔鏡手術は、術後の合併症における慢性疼痛が少ないことも特徴です。
鼠径ヘルニアの治療を検討されている患者さまにおいては、各治療法の特徴を踏まえ、ご自身に最適な治療法を選択いただければと思います。
鼠径ヘルニアの治療は当クリニックを受診ください
JR大阪駅から徒歩3分の大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックでは、成人鼠径ヘルニアを治療しています。
当院は外科専門医・消化器外科専門医である院長、ならびに麻酔科専門医により、鼠径ヘルニアの内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術を行っております。
また、平日のご来院が難しい患者さまに向けて、土曜日・日曜日にも診療、手術を行っております。
鼠径部の膨らみ、痛みなどの症状でお悩みの方は、鼠径ヘルニアの可能性があります。
ぜひ一度、当院を受診ください。