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そけいヘルニアの種類

そけいヘルニアの種類|梅田で脱腸の治療 | 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック

鼠径ヘルニアは、病態や成因に応じて大きく以下の四種類に分かれます。
当院で採用する内視鏡手術では、全ての鼠径ヘルニアに対応しています。
もし隠れたヘルニアや対側のヘルニアがあっても一眼で確認出来るため、見逃すことはありません。また、どの種類の鼠径ヘルニアでも一度の手術で治療することが可能です。

1. 外鼠径ヘルニア

ヘルニア

最も典型的なタイプの鼠径ヘルニアです。
小児や成人に発症する鼠径ヘルニアの多くが、この外鼠径ヘルニアです。
比較的、嵌頓(=腸が詰まって血流不全を起こす)を起こしやすいタイプです。
鼠径部のやや外側が膨らみます。解剖学的には、下腹壁動静脈というお腹の壁(腹壁)を栄養する血管の外側にある、内鼠径輪という場所(いわゆるヘルニアの入り口)から腹膜や内臓がお腹の外に向けて脱出します。
内鼠径輪から脱出した腹膜や内臓は、鼠径管という経路を通り、外鼠径輪という場所(いわゆるヘルニアの出口)から腹壁の外に到達します。
男性の場合、鼠径管を通過した精巣動静脈や精管は、陰嚢に到達します。このため、外鼠径ヘルニアを放置して病態が進行すると、脱出した腹膜や内臓は陰嚢内に到達し、陰嚢が腫れ上がります。
(※鼠径管とは、男性の場合、精巣に流入する血管(精巣動静脈)や精管(精子を運ぶ管)が、腹壁の内外を貫通する際に通過するトンネルのような構造物のこと。女性の場合、子宮円靭帯という子宮を支える靭帯の一つが鼠径管を通過します。)

2. 内鼠径ヘルニア

中高年の男性に多いタイプの鼠径ヘルニアです。
加齢や前立腺の手術などに伴い、鼠径部の筋肉が脆弱化することで発生します。
鼠径部のやや内側が膨らみます。解剖学的には、前出の下腹壁動静脈の内側、Hasselbach三角という場所の筋肉が弱くなり、穴が開いて腹膜や内臓が外に押し出されます。
筋肉の穴が内側にあるため、膀胱脱出を来たす場合があります。この場合、手術の際には膀胱損傷のリスクが上がります。さらに、放置すると脱出がひどくなり、手術が難しくなるのみならず、臓器損傷のリスクが上がり、危険です。

3. 大腿ヘルニア

中高年女性に多いタイプの鼠径ヘルニアです。
鼠径部のやや下方(鼠径靭帯と呼ばれる靭帯の下側)が膨らみます。
大腿輪という場所から、腹膜や内臓が外に押し出されます。
外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニアに比べて頻度は低いものの、嵌頓を来たしやすいため、手術による早期の治療が強く推奨されます。
(※大腿輪とは、大腿動静脈という下肢を栄養する血管が、外腸骨動静脈から分岐して骨盤の中から外に出ていく際に通過する場所のこと。)

その他のヘルニア

閉鎖孔ヘルニア

痩せた高齢女性に多く発症するタイプの鼠径ヘルニアです。
膨らみは体表から確認し辛く、診断にはCT検査が必要です。
閉鎖孔と呼ばれる、骨盤を構成する恥骨と坐骨により形成される穴から腹膜や内臓が脱出します。閉鎖孔には閉鎖動静脈や閉鎖神経が通過し、ヘルニアの脱出により神経が圧迫されることで閉鎖神経刺激症状(大腿内側〜膝、下腿の痛みや、知覚障害など)を来たします。
このヘルニアも嵌頓を来しやすいのですが、腸全体ではなく腸壁の一部が嵌頓する(Richter型の嵌頓と呼びます)ことが多いため、腸閉塞症状が出にくいことが特徴です。

臍ヘルニア

臍から臓器の脱出を認める状態です。いわゆる出ベソのこと。
小児の場合は自然治癒する可能性がありますが、成人の場合は自然治癒は見込めず、嵌頓のリスクが高くなるため、手術による治療が強く推奨されます。
筋肉の穴が小さい場合は糸で縫って縛るだけの場合もありますが、大きな場合はメッシュを用いて穴を塞ぎます。

腹壁瘢痕ヘルニア

腹部手術後の傷の筋膜が時間の経過と共に脆弱化したり、手術後の感染や血腫などが原因できちんとくっつかなかった場合(筋膜の癒合不全と呼びます)、筋肉に穴が開くことで臓器の脱出を来たします。立った状態では腹圧により傷に沿った部位に膨らみが見られ、横になると腹圧が抜けるため膨らみが消失する、という症状が典型的です。
ヘルニアが小さい場合は腸の嵌頓を来たしやすく、逆に大きい場合は嵌頓のリスクは下がりますが、傷に沿って大きな膨らみがあるため、見た目が悪く見えます。
手術後の傷は一般に弱くなっているため、糸で縫い閉じると破綻のリスクがあります。このため、一般にメッシュを用いて穴を塞ぐ手術が行われます。