鼠径ヘルニア豆知識

【命の危険性】嵌頓 (かんとん) ってどんな状態?なぜ危ないの?

大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックの岩村宣亜(せんあ)です。

本日はそけいヘルニアの症状のうち
最も危険な『嵌頓(かんとん)』について、お話させて頂きます。

 

 

嵌頓、それは突然やってくる

 

そけいヘルニアの症状には、そけい部(股の部分)の膨らみに伴い
次のような症状を呈するケースがあります。

・そけい部の膨らみが出たり入ったりする
・そけい部の違和感や、痛み
・食欲低下 など

当クリニックのページに辿り着いた皆様は、現在実際にこういった症状を認めており
「もしかしたら自分は、そけいヘルニアかも知れない」
「放置した場合、どういった危険性があるのだろう?」
「腰が重いのだけれど、早く治療するべきなのだろうか」
こういった風にお考えかも知れません。

何らかの症状をお持ちの方々は、
その症状に悩まれていたり、ご不安に思われたりして
医療機関に相談されるケースも少なくないかと思いますが、

中にはそけい部の膨らみのみで、
その他の症状を全く認めない方々もあります。

このため、医療機関に相談されずに放置される方々も少なくありません。

 

(鼠径ヘルニアかも?そんな時は、過去記事をご参照ください)

 

そんな中突然現れる、合併症として最も危険なものが
『嵌頓』です。

嵌頓とは、「嵌まり込む」こと。
そけいヘルニアの場合、そけい部に出来た小さな筋肉の穴に
腸が嵌まり込んでしまい、抜けなくなることを言います。

むしろ、この合併症のために
治療を推奨していると言っても過言ではありません。

では実際に見ていきましょう。
なぜ嵌頓が、命に関わる危険性があるのでしょうか?

 

危険性その1:腸閉塞

 

そけいヘルニアをお持ちの方々は、ある日突然
嵌頓を引き起こす可能性があります。

嵌頓、つまり小さな穴に腸が嵌まり込んでしまうと
腸がその部分で狭くなってしまい、
食事や消化液が通過出来なくなってしまいます。
これを医学用語で『腸閉塞(いわゆる、消化管の通過障害)』と呼びます。

このため、食欲低下やお腹の張り、
ひいては吐き気、嘔吐などを来たします。

一度嵌まり込んでしまった腸は、残念ながら
自然に元に戻ることはありません。

また、嵌まり込んだとしてもそけい部の膨らみや緊満感のみで
その他の症状がない場合があり、
この場合は腸閉塞が悪化した状態で吐き気や嘔吐で気付きます。

このため、医療機関を受診して嵌頓が発覚し、
その場で緊急手術になる可能性があります。

 

危険性その2:腸壊死(腸が腐る)

 

壊死という言葉、あまり日常では使いませんよね。

医学的には『体の一部の細胞や組織が死に陥ること』を意味します。

嵌頓した腸には、十分な血流が供給出来なくなったり(虚血)
逆に血流が外に出て行きにくくなることで(うっ血)、
組織が壊死してしまいます。

一度壊死した組織は、元の健康な状態に戻すことが出来ないどころか
放置しておくと、人体に極めて有害な状態を引き起こします。
つまり、壊死組織は手術で取り除く必要があります。

腸壊死の場合、細菌や有害物質が全身に回って敗血症を来たしたり、
腸に穴が開き、腸液がお腹の中に漏れ出て腹膜炎を来たします。

これらは一度発症すると、命の危険性があります。

 

危険性その3:自分で嵌頓を戻した場合に潜む危険性

 

腸の嵌頓で救急車に乗って病院に来られた場合、
まず我々専門医は、それをお腹の中に戻そうとします。

この理由は、嵌頓した腸が戻らなければその場で緊急手術なのですが
もし戻った場合は、日を改めるなどして、待機手術に持ち込むことが出来るからです。

待機手術がもたらす時間の余裕には、以下のようなメリットがあります。

・患者様の心臓や肺など、身体検査が可能(合併症のリスクを減らす)
・術前の薬の調整やリハビリなどが可能(リスクの軽減や早期の社会復帰に近づく)

・緊急手術そのものが、手術や麻酔など、あらゆるリスクを増やす

一方で、中にはご自身で嵌頓を戻す方もおられます。
膨らんだ部分を押すことで、偶然にもお腹の中に戻ることがあります。

では、これがなぜ危険なのでしょうか?

その理由として、
嵌頓した時点でもし仮に腸が壊死していた場合、
それをお腹の中に戻すことで、お腹の中で腸が破れてしまい
腹膜炎を起こすことがあります。

滅多にないケースですが、非常に危険な状態です。

(※我々が医療現場で嵌頓を戻した場合は、その後に必ず、
腸が壊死していないか、CTなどの検査を行います)

 

 

そけいヘルニアは、無症状のうちに治療を

 

いかがだったでしょうか?

無症状や、症状が軽いうちの手術をお勧めするのは
こう言った重要な理由が裏に隠れているためです。

たかが脱腸、されど脱腸、です。

ご自身で判断されず、一度医療機関にご相談下さい。

 

当院では、そけいヘルニアに対する日帰り内視鏡手術を提供させて頂きます。
目立たない小さな傷で行えて、痛みが少ないため
早期の社会復帰が可能です。

 

本日もご一読いただき、ありがとうございました。

 

大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック

岩村 宣亜

鼠径ヘルニアの治療は当院を受診ください

JR大阪駅から徒歩3分の大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックでは、鼠径ヘルニアを内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術で治療しています。

鼠径ヘルニアの症状があるなど、お困り・お悩みの方はぜひ当院を受診ください。

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大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック
院長 岩村宣亜
外科専門医、消化器外科専門医
2022年8月に大阪梅田に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。早期の社会復帰が可能な鼠径ヘルニアの内視鏡日帰り手術の普及に努める。
外科専門医、消化器外科専門医
2022年8月に大阪梅田に大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックを開院。早期の社会復帰が可能な鼠径ヘルニアの内視鏡日帰り手術の普及に努める。
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