女性の鼠径部のしこり|病気の可能性と適切な対応方法
大阪・梅田の鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」です。
当クリニックでは日々、鼠径ヘルニアに特化した診療、ならびに内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術を行っています。
この記事では、「女性の鼠径部のしこりで疑われる病気と適切な対応方法」について特集します。
鼠径部とは
初めに、「鼠径部」についてご説明します。
鼠径部とは、足の付け根の内側にある三角形の形をした下腹部の部分を指します。この部位は、股関節の前方に位置し、股間の一部を構成する重要な場所です。
解剖学的には、鼠径部は恥骨の左右の外側や股関節の前方に位置し、ここには鼠径靭帯、動脈、静脈、リンパ管、神経などが通っています。
もし、この鼠径部にしこりや痛みなどの症状が現れた場合、鼠径部に関連する病気が疑われます。
鼠径部で起こる病気
鼠径部で起こる病気は様々です。
鼠径部にしこりや痛みといった症状を呈するときに考えられる病気としては、鼠径ヘルニアや鼠径部リンパ節腫脹などの以下の病気が疑われます。
鼠径ヘルニア
鼠径部の筋肉に穴が開き、鼠径部の膨らみが認められ、腸をはじめとした臓器が外に飛び出す病態を指します。
鼠径部リンパ節腫脹
鼠径部のリンパ節が腫れた状態を指します。
リンパ節とは、リンパ液の流れをせき止める関所のようなもので、リンパ液を流れる細菌やウイルス、癌細胞などをせき止め、感染防御や異物排除の役割を果たします。感染や血液の癌などにより病的に腫れ上がることで体表から触れることがあります。
動脈瘤、静脈瘤
鼠径部の血管がこぶのように腫れ上がった病態を指します。
鼠径部を走る血管が何らかの原因で腫れ上がり、片方の鼠径部が膨らんで見えることがあります。
軟部腫瘍、膿瘍
一般的なできものや膿溜まりを意味します。
これらは皮下と呼ばれる皮膚の浅い部分に出来ることが多く、触ると硬さを感じたり、膿の場合はブヨブヨとした液の溜まりを触れることがあります。
Nuck(ヌック)管水腫
20〜40代の女性に好発する比較的稀な病気で、水腫、いわゆる水が溜まった袋が鼠径部にでき、鼠径部の膨らみを認めます。
男性にも精索水腫や陰嚢水腫といって同じような病態を引き起こすことがありますが、一歳未満に好発し、ほとんどの場合自然治癒します。一方、女性の場合は成人になって気付くことが多い傾向にあります。
このように、鼠径部ではさまざまな病気が発生します。
その中でも、鼠径部のしこりを主な症状とする代表的な病気として「鼠径ヘルニア」が挙げられます。
鼠径ヘルニアとは
鼠径ヘルニアとは、鼠径部の筋肉に穴が開き、鼠径部の膨らみを認めるとともに、腸をはじめとした臓器が外に飛び出す病態を指します。一般的に、脱腸とも呼ばれる病気です。
典型的な症状は、鼠径部にピンポン球のようなふくらみ(しこり)が現れることです。このふくらみは、立っている時や力を入れるときに大きくなり、横になるか力を抜くとふくらみが凹んだり消えたりします。
鼠径ヘルニアは、小児や成人、特に高齢の男性に多く見られる病気ですが、女性でも発症することがあります。女性の鼠径ヘルニアは、男性に比べて危険な状態である「嵌頓(かんとん)」のリスクが高いため、特に注意が必要です。
嵌頓を予防するため早期受診が大切
「嵌頓」とは、「嵌まり込む」ことを意味します。鼠径ヘルニアの場合、鼠径部に生じた筋肉の穴に腸をはじめとする臓器が嵌まり込み、抜け出せなくなる状態を指します。
嵌頓が起こると、腸閉塞や腸壊死、腹膜炎といった危険な状態を引き起こす可能性があります。腸閉塞に伴う嘔吐や誤嚥性肺炎、腸壊死に伴う腹膜炎などは、命に関わる可能性があります。
この嵌頓は、鼠径ヘルニアの合併症として最も危険で、突如として現れます。鼠径ヘルニアの治療が推奨される最大の理由は、この嵌頓を未然に防ぐためであると言っても過言ではありません。
再度お伝えしますが、女性の鼠径ヘルニアの場合、男性よりも嵌頓のリスクが高くなっています。そのため、女性の鼠径ヘルニアは、診断がついた時点で原則として治療を検討するべきとされています。
このような背景から、女性で鼠径部にしこりを感じ、鼠径ヘルニアが疑われる場合は、速やかに専門クリニックなどの医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが推奨されます。
鼠径ヘルニアの治療は当クリニックを受診ください
JR大阪駅から徒歩3分の大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックでは、成人鼠径ヘルニアを治療しています。
当院では、外科専門医および消化器外科専門医である院長と麻酔科専門医が、鼠径ヘルニアの内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術を行っております。
また、平日のご来院が難しい患者さまに向けて、土曜日・日曜日にも診療、手術を行っております。
鼠径部の膨らみ、痛みなどの症状でお悩みの方は、鼠径ヘルニアの可能性があります。
ぜひ一度、当院を受診ください。