鼠径ヘルニア(脱腸)の根治術|手術方法(術式)と修復方法を解説!
大阪・梅田の鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」です。
このようなお悩みや疑問はありませんか?
「鼠径ヘルニアは根治できる病気?」
「鼠径ヘルニアを治療する方法には、どのようなものがあるの?」
鼠径ヘルニアを根治したいと考えても、どの手術方法が最適なのか、また再発リスクが気になる方も少なくありません。
そこで本記事では、鼠径ヘルニアの根治術について解説します。腹腔鏡手術や鼠径部切開法などの主な手術方法の違い、それぞれのメリット・デメリット、さらに治療に使用される医療用メッシュについても特集します。
鼠径ヘルニアの根治術
鼠径ヘルニアは、一般的に「脱腸」とも呼ばれ、太ももの付け根(鼠径部)の筋肉に穴が開き、腸などの臓器が外に飛び出す状態を指します。
鼠径ヘルニアの根治術(根治手術)とは、鼠径ヘルニアという病気を完全に治すことを目的とした手術の総称です。鼠径ヘルニアは手術が唯一の治療法であり、腹腔鏡手術や鼠径部切開法を用いて根治術が行われます。
鼠径ヘルニアの手術方法(術式)
鼠径ヘルニアの手術には、主に「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」の2種類があります。
両手術の違いを端的に表現すると、「どのようにして鼠径部のヘルニア部位に到達するか」という点にあります。
鼠径部切開法は、鼠径部を約4cm切開してヘルニア部位に「前方から」到達します。一方、腹腔鏡手術ではお腹に5〜10mm程度の切開を3ヶ所作り、細長いカメラと鉗子を用いて腹部を経由し、ヘルニア部位に「裏側から」到達する方法です。
それぞれの手術方法には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
鼠径部切開法のメリット・デメリット
■メリット
・古くから採用されている手術方法
・局所麻酔、脊髄麻酔での手術が可能
・手術時間が短い(片方40分程度)
・治療費が安価
■デメリット
・傷が大きい(片方4cm程度)
・術後合併症の慢性疼痛の頻度が高い
・稀に隠れた別の鼠径ヘルニアが見逃されることがある
・両側鼠径ヘルニアの日帰り同時手術が困難(両側に傷ができるため)
腹腔鏡手術のメリット・デメリット
■メリット
・傷が小さく、痛みが少ない
・術後合併症の慢性疼痛が少ない
・両側の鼠径ヘルニアを同じ傷、日帰りで同時に治療が可能
・稀にある隠れた別の鼠径ヘルニアを見逃さない
・ガイドライン上、女性の鼠径ヘルニアに推奨
■デメリット
・手術時間が長い(60分程度)
・習熟した外科医の技術が必要
・全身麻酔が必要
・治療費が高価
鼠径ヘルニアの修復方法
現在、鼠径ヘルニアの手術では、ヘルニアが発生している部位(ヘルニア門)に医療用メッシュを留置する方法が一般的です。このメッシュはポリプロピレンなどの合成繊維で作られており、医療用として長年使用されてきた実績があるため、安全性は確立されています。
※COVIDIEN社
※メディコン社
異物を体内に留置することに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、以前行われていた筋肉を縫い合わせる「組織修復法」では、再発リスクが高く、手術後の痛みが強くなる傾向がありました。実際、組織修復法の再発率は約10%とされていましたが、医療用メッシュの使用により、再発率は約1%程度にまで低下しています。
そのため、成人の鼠径ヘルニア手術では、再発リスクを抑え、安全性と効果を考慮して、メッシュを使用する手術が主流となっています。治療は、鼠径部切開法や腹腔鏡手術のそれぞれのアプローチを通じて、メッシュを留置することで行われます。
まとめ
本記事では、鼠径ヘルニアの根治術について解説しました。
鼠径ヘルニアは、鼠径部の筋肉に穴が開き、腸などの臓器が外に飛び出す状態を指し、根治には手術が唯一の方法です。
主な手術方法には「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。また、手術においては、再発リスクを低減し確実に根治するため、医療用メッシュを使用した修復法が一般的です。
今回、ご紹介した内容がご参考になれば幸いです。
鼠径ヘルニアは当院までご相談ください
大阪・梅田の鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」では、成人鼠径ヘルニアを内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術で治療しています。
2022年8月の開院以降、当院は多くの鼠径ヘルニアの患者さまの手術を行ってきました。直近の月間の手術件数は60件を超えています。
また、当院は、JR大阪駅から徒歩3分の好立地にあり、土曜・日曜・祝日も診療を行っているため、患者さまが通院しやすい環境です。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。
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