足の付け根の痛みは病気のサイン?原因から受診すべき症状を解説!
大阪・梅田にある鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」です。当院では、成人の鼠径ヘルニアに対し、内視鏡(腹腔鏡)を用いた日帰り手術を行っています。
足の付け根(鼠径部)の痛みは、「関節や筋肉の問題なのか」「何か病気が隠れているのではないか」と不安に感じる方が少なくありません。鼠径部の痛みは、整形外科領域の炎症や損傷だけでなく、鼠径ヘルニアのような外科的疾患、さらには泌尿器科や婦人科の病気など、多様な原因によって生じるのが特徴です。
本記事では、足の付け根が痛くなる主な原因から、注意すべき症状、受診の目安まで、分かりやすく解説します。
足の付け根が痛くなる主な原因

足の付け根(鼠径部)の痛みは、整形外科的な筋肉や関節のトラブルだけでなく、鼠径ヘルニアのような外科的な病気、泌尿器・婦人科の病気など、さまざまなことが原因で起こります。
筋肉・腱・靭帯の炎症や損傷(整形外科系)
よく見られる原因のひとつが、筋肉や腱、靭帯に起こる炎症やケガです。
内転筋や腸腰筋が無理に引き伸ばされたり、軽い炎症を起こしたりすると、歩きすぎや急な動作をきっかけに痛みが出ることがあります。また、股関節の軟骨が傷つく「股関節唇損傷」では、関節が引っかかるような感覚や、動かしたときの痛みが特徴です。スポーツをする人だけでなく、一般の方にも起こり得ます。
さらに、加齢とともに軟骨がすり減る「変形性股関節症」では、立ち上がる時や歩く時の痛みが徐々に強くなり、進行すると安静時にも痛みが出ることがあります。
骨や関節の病気
骨や関節の異常も、足の付け根の痛みの原因になります。
サッカーやランニングのように同じ動作を繰り返すことで恥骨周りに炎症が起こる「恥骨結合炎」では、歩く時や立つ時に痛みが強まりやすくなります。また、大量の飲酒歴やステロイド薬の使用歴がある方に多い「大腿骨頭壊死症」では、初期は軽い違和感だけのこともありますが、進行すると強い痛みに変わるため、早期の診断と治療が重要です。
ヘルニア
外科の領域でよくみられるのが「鼠径ヘルニア(脱腸)」です。
立つと膨らんで横になると引っ込むといった特徴があり、違和感や軽い痛みが繰り返し出現することがあります。腸がはまり込む「嵌頓(かんとん)」が起こると、強い痛み、吐き気、発熱が出て、緊急手術が必要になります。早めの受診が大切です。
リンパ節の腫れ
鼠径部のリンパ節が腫れて痛みを感じることもあります。皮膚の化膿や足のケガ、性感染症などによってリンパ節が反応し、腫れや押すと痛む症状が出ることがあります。
泌尿器・婦人科系の疾患
泌尿器科や婦人科の病気でも鼠径部が痛くなることがあります。
尿路結石では、鋭い痛みが足の付け根から下腹部にかけて出ることが多く、腰まで痛みが広がったり、血尿が見られたりする場合があります。女性の場合は、卵巣嚢腫がねじれる「卵巣茎捻転」が突然の強い痛みを引き起こし、緊急の対応が必要になります。
このような症状は注意(受診の目安)

足の付け根の痛みは、軽い炎症など一時的な原因で生じることもありますが、中には放置すると悪化したり、緊急の対応が必要になる病気の可能性もあります。特に、次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
痛みが数日たっても改善しない
数日安静にしても症状がよくならない場合は、筋肉・腱・関節の炎症や損傷が起きている可能性があります。股関節唇損傷や恥骨結合炎など、専門的な治療が必要になる病気が原因となっていることもあります。
歩くと強く痛む、足を引きずる
歩行時の痛みが強く、足を引きずるほどの場合は、股関節や骨に異常がある可能性があります。変形性股関節症や大腿骨頭壊死症など、進行すると治療が難しくなる病気も含まれるため注意が必要です。
立つとふくらみ、横になると引っ込む “ふくらみ” がある
鼠径ヘルニアの典型的なサインです。放置すると「嵌頓」という危険な合併症を起こし、急激な痛み・吐き気・発熱を伴い、緊急手術が必要となる場合があります。少しでも疑わしい場合は、早めに受診してください。
鼠径部のしこりやリンパ節が腫れて痛む
足の傷、皮膚の化膿、性感染症などが原因でリンパ節が反応して腫れることがあります。痛みが強い、腫れが大きくなる、熱感があるなどの場合は、炎症が広がる前に受診することが大切です。
下腹部・腰まで広がる激しい痛みがある
尿路結石では、鼠径部から下腹部、腰にかけて突然の鋭い痛みが起こることがあります。吐き気や血尿を伴うこともあるため、強い痛みがある場合は早めの治療が必要です。
女性で突然の激痛・吐き気がある
卵巣嚢腫がねじれる「卵巣茎捻転」は、下腹部〜鼠径部にかけて突然の激痛が起こり、緊急処置が必要です。「いつもと違う強い痛み」を感じた場合は、速やかに専門医を受診してください。
足の付け根の痛みは何科を受診?

足の付け根(鼠径部)の痛みは、原因が多岐にわたるため「どの診療科に行けばよいのか分からない」と感じる方が少なくありません。整形外科、外科、泌尿器科、婦人科など、症状の背景によって適切な診療科は異なります。
まずは、痛みの特徴や症状から、おおまかな受診先を判断することが大切です。
整形外科が適している症状
- 動かすと痛い(歩行・立ち上がり・股関節の動きで悪化)
- スポーツ後に痛みが出る
- 股関節が引っかかる感じがある
(疾患例:内転筋炎、腸腰筋炎、股関節唇損傷、変形性股関節症)
外科(消化器外科)が適している症状
- 鼠径部にふくらみがある
- 立つと膨らみ、横になると引っ込む
- 違和感や軽い痛みを繰り返す
(疾患例:鼠径ヘルニア)
皮膚科・形成外科が適している症状
- 鼠径部にしこりがある
- 触れると痛む
- 赤み・熱感・腫れがある
(疾患例:膿瘍、粉瘤や脂肪腫などの皮下腫瘍)
泌尿器科が適している症状
- 突然の鋭い痛みが下腹部〜腰へ広がる
- 血尿がある
- 吐き気を伴う
(疾患例:尿路結石)
婦人科が適している症状(女性)
- 下腹部と鼠径部の痛みが同時に出る
- 月経に関連して痛む
- 突然の激痛・吐き気を伴う
(疾患例:卵巣茎捻転、卵巣嚢腫)
鼠径部で起こる代表的な病気「鼠径ヘルニア」

足の付け根にあたる鼠径部で発症する代表的な病気として、「鼠径ヘルニア」が挙げられます。
鼠径ヘルニアは一般的に「脱腸」とも呼ばれ、鼠径部の筋肉に生じたすき間から腸などの臓器が皮下まで押し出され、ふくらみとして現れる病気です。小児に多くみられますが、成人、特に40代以上の男性にも頻繁に発症します。
典型的な症状は、鼠径部にピンポン球のようなふくらみ(しこり)が現れることです。このふくらみは、立っているときや腹圧のかかる動作で大きくなり、横になったり力を抜いたりすると小さくなる、あるいは消失するのが特徴です。進行すると痛みを伴うことがあります。
鼠径ヘルニアは自然に治癒することはなく、根本的な治療には手術が必要です。手術には主に「内視鏡(腹腔鏡)手術」と「鼠径部切開法」の2種類があり、いずれの方法でも、ヘルニアが発生している部位(ヘルニア門)を医療用メッシュで補強・修復するのが一般的です。
かつては入院治療が主流でしたが、近年では日帰り手術が可能となり、身体への負担が少なく、早期の社会復帰も期待できます。また、全国的に鼠径ヘルニア専門のクリニックが増えており、日帰り手術による専門性の高い治療を提供できる体制が整ってきています。
まとめ|足の付け根の痛みは早めに受診を

足の付け根(鼠径部)の痛みは、整形外科的な筋肉や関節のトラブルだけでなく、鼠径ヘルニアのような外科的疾患や、泌尿器・婦人科領域の病気など、さまざまな原因で起こります。
なかには、鼠径ヘルニアのように放置すると重篤な合併症を引き起こす病気もあるため注意が必要です。痛みが続く、ふくらみがある、歩くと強く痛むなど気になる症状がみられる場合は、早めに専門医を受診し、適切な診断を受けることをおすすめします。
鼠径ヘルニアは当院までご相談ください

大阪・梅田の鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」では、成人鼠径ヘルニアを内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術で治療しています。
2022年8月の開院以降、当院は多くの鼠径ヘルニアの患者さまの手術を行ってきました。直近の月間の手術件数は70件を超えています。また、当院はJR大阪駅から徒歩3分の好立地にあり、土曜・日曜・祝日も診療を行っているため、患者さまが通院しやすい環境です。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。
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