【鼠径靭帯とは】位置はどこか、役割などイラスト付きで解説!

大阪・梅田にある鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」です。当院では、成人の鼠径ヘルニアに対し、内視鏡(腹腔鏡)を用いた日帰り手術を行っています。
本記事では、鼠径靱帯の基礎知識と、鼠径靱帯に関連する代表的な病気について解説します。ぜひご参考ください。
鼠径靭帯とは

鼠径靱帯は、腹部と下肢の境界に位置する非常に重要な線維性組織です。具体的には、骨盤前面の上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)から恥骨結節(ちこつけっせつ)までを斜めに結ぶ、長さ約10〜15cmの靱帯で構成されています。この靱帯は、大腿の付け根にあるくぼみ(いわゆる「鼠径部」)の上縁に沿って走行しており、腹部と大腿部とを隔てる解剖学的な境界線としての役割を果たします。
鼠径靱帯は、腹壁(腹部の外側を覆う壁)を構成する要素のひとつであり、腹圧の保持や、鼠径部の構造的な安定性に重要な役割を果たしています。
また、鼠径靱帯のすぐ上には「鼠径管」と呼ばれる細い管状の構造が走行しており、鼠径靱帯はこの管の下壁を形成しています。男性では精索(精管・血管・神経など)、女性では子宮円索がこの鼠径管を通過しており、鼠径靱帯はこれらの構造を支えながら、鼠径部の安定性を保つ役割を担っています。
鼠径靭帯に関連する疾患「鼠径ヘルニア」

鼠径靱帯に関連する疾患の中で、特に代表的なものが「鼠径ヘルニア」です。鼠径ヘルニアは、鼠径管周囲の腹壁が脆弱になることにより、腹腔内の腸管や腹膜の一部などが、鼠径部の皮膚下に膨らみとして現れる疾患です。
典型的な症状としては、鼠径部にピンポン球のようなやわらかい膨らみが現れることが挙げられます。この膨らみは、立っているときや咳・排便時など腹圧がかかった際に目立ち、横になると自然に凹むまたは消失するのが特徴です。
鼠径ヘルニアは自然に治ることがなく、治療には手術が必要です。治療法としては、主に「内視鏡(腹腔鏡)手術」と「鼠径部切開法」の2種類があります。どちらの手術でも、ヘルニアが発生している部位(ヘルニア門)を医療用のメッシュで補強・修復する方法が一般的です。
鼠径ヘルニアは早期治療が重要

鼠径ヘルニアの患者様の中には、「手術が不安」「違和感はあるけれど痛みがないから」といった理由で、症状を感じながらも放置してしまう方がいらっしゃいます。しかし、鼠径ヘルニアを放置すると、「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる重篤な状態に至るリスクが高まります。
嵌頓とは、鼠径部の筋肉の隙間(ヘルニア門)に腸などの腹腔内臓器がはまり込み、元に戻らなくなった状態を指します。この状態になると、血流が遮断されて腸が壊死したり、腸閉塞や腹膜炎などの重篤な合併症を引き起こすおそれがあり、緊急手術が必要になるケースもあります。
このような事態を未然に防ぐためにも、鼠径ヘルニアが疑われる場合は、できるだけ早く専門医の診察を受け、適切な診断と治療を受けることが大切です。
まとめ

鼠径靱帯は、腹部と下肢の境界に位置する非常に重要な線維性組織です。
この靱帯は、大腿の付け根にあるくぼみ(いわゆる「鼠径部」)の上縁に沿って走行しており、腹部と大腿部を隔てる解剖学的境界としての役割を担っています。また、鼠径靱帯のすぐ上には「鼠径管」と呼ばれる細い管状の構造が走行しており、鼠径靱帯はこの管の下壁(底部)を形成しています。
鼠径靱帯に関連する疾患の中で、特に代表的なものが「鼠径ヘルニア」です。鼠径ヘルニアは、鼠径管周囲の腹壁が脆弱になることで、腹腔内の腸管や腹膜の一部が鼠径部の皮膚下に膨らみとして現れる疾患です。
この鼠径ヘルニアを放置すると、「嵌頓」と呼ばれる重篤な状態に至るリスクが高まります。そのため、鼠径ヘルニアが疑われる場合は、できるだけ早く専門医の診察を受け、適切な診断と治療を受けることが大切です。
鼠径ヘルニアは当院までご相談ください

大阪・梅田の鼠径ヘルニア専門クリニック「大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック」では、成人鼠径ヘルニアを内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術で治療しています。
2022年8月の開院以降、当院は多くの鼠径ヘルニアの患者さまの手術を行ってきました。直近の月間の手術件数は60件を超えています。
また、当院は、JR大阪駅から徒歩3分の好立地にあり、土曜・日曜・祝日も診療を行っているため、患者さまが通院しやすい環境です。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。
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