【質問】全身麻酔は安全に受けられますか？

大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックの岩村宣亜（せんあ）です。

当院で提供させて頂く
【鼠径（そけい）ヘルニア（脱腸）に対する内視鏡手術】には、
全身麻酔を受けて頂く必要があります。

『持病があるのですが、全身麻酔は受けられますか？』

患者さまからよくお聞きするご質問です。

結論から申しますと、ほとんど全ての方々にとって
全身麻酔を安全に受けて頂くことは可能です。

一方で、一部の患者さまには安全性の観点から
全身麻酔を受けて頂けない方がおられます。

本日は、

・全身麻酔の特徴、その他の麻酔との違い
・内視鏡手術における全身麻酔の実際
・どんな方々が全身麻酔を受けて頂けないか

について、詳しくお話させて頂きます。

全身麻酔、寝ている間に痛みなく

全身麻酔は文字通り、頭の先から足の先まで
全身の痛みを感じなくさせる麻酔法です。

静脈麻酔薬や吸入麻酔薬を使用し、
患者さまは完全に寝た状態となり
人工呼吸器を用いて呼吸をサポートします。

このため、患者さまが目を覚まされるのは
手術が完全に終わった後。

眠っている間には、痛みを全く感じません。
いわゆる、完全無痛の状態です。
（実際には麻酔強度を高めるため、
局所麻酔薬を併用するなどの工夫を行うことがあります）

また、眠った状態で全てが終わるため
手術中にストレスを感じられる必要はありません。

このように、全身麻酔のメリットとして

・手術中の痛みを完全に消すことができる
・眠った状態で手術が受けられる

ことが挙げられます。

一方で、局所麻酔を始めとしたその他の麻酔法では
意識がある状態で手術を行います。

局所麻酔は注射した部位のみ、
脊髄麻酔では下半身のみ、といったように
麻酔部位が限定されるため

もし麻酔が不十分であった場合、
痛みを感じる可能性があります。

全身麻酔には、こういった心配がありません。

内視鏡手術には全身麻酔が必要

内視鏡手術と全身麻酔はセット（つきもの）です。

そもそも内視鏡（腹腔鏡）手術とは、
お腹の中（腹腔）を二酸化炭素で膨らませた状態で手術を行うため、
大原則として全身麻酔が必要となります。

ここまでは主に、全身麻酔の良い側面をお伝えしましたが
当然ながら全身麻酔のリスクもあります。

簡潔に申し上げますと、
心臓や肺を中心に、様々な臓器に対する負担は
一般に全身麻酔が最も大きくなります。

このため、特に心臓や肺において
日常生活に支障が出る程度の疾患をお持ちの方々には
全身麻酔をお勧め出来ない可能性があります。

即ち、内視鏡手術を受けて頂くことも困難となります。

一方で、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの
生活習慣病をお持ちの患者さまや
心臓や肺のご持病をお持ちでも病態が落ち着いている患者さまは、
きちんとした検査を行うことで
全身麻酔、内視鏡手術を受けて頂くことが可能な場合があります。

日帰り手術における全身麻酔の位置付け

これまでのところ全身麻酔は、入院を前提に行われてきました。

この理由は、先に申し上げたように
心臓や肺に負担がかかるためとされていました。

確かに長時間に渡る手術では、その通りです。

一方で、当院が行う鼠径ヘルニアの手術は
手術時間は1時間程度と短く、お身体への負担は小さいため
多くの患者様に対して日帰りで行うことが可能な術式です。

適応には専門医による慎重な判断を要しますので
お悩みの際にはぜひ一度、ご相談を頂ければ幸いです。

本日は以上です。

ご一読いただき、ありがとうございました。

大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック

岩村宣亜

鼠径ヘルニアの治療は当院を受診ください

JR大阪駅から徒歩3分の大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックでは、鼠径ヘルニアを内視鏡（腹腔鏡）による日帰り手術で治療しています。

鼠径ヘルニアの症状があるなど、お困り・お悩みの方はぜひ当院を受診ください。