小児(中学生・高校生)の鼠径ヘルニア手術

当院で行う小児の鼠径ヘルニア手術

当院で行う小児の鼠径ヘルニア手術

当院では、中学生・高校生(12歳〜18歳)のお子様を対象に、鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っております。恐れ入りますが、中学生・高校生を除くお子様の診察および手術は対応しておりません。
また、受診の際には、必ず保護者の方のご同伴をお願いしております。診察時・手術時ともに、保護者の方が同席いただきますようお願いいたします。

小児の鼠径ヘルニアとは

小児の鼠径ヘルニアは比較的よくみられる疾患で、全体の約4〜6%の小児に発生するとされています。特に早産児では発症率が高くなる傾向があります。以下では、その発症の仕組みと代表的な症状について解説します。

小児の鼠径ヘルニアの発症原因

小児の鼠径ヘルニアは、男女問わず胎児期の発育過程に起因して発症します。男児の精巣は胎児期において腹腔内(お腹の中)にありますが、妊娠の進行とともに、腹腔から鼠径部を通って陰嚢へと下降していきます。この際、腹腔内を覆っている腹膜の一部が一緒に引きずられて陰部方向へ突き出す構造を「腹膜鞘状突起(ふくまくしょうじょうとっき)」と呼びます。

女児の場合、鼠径管内を走行する子宮円索(子宮の支持組織)に併存して腹膜鞘状突起が遺残することで鼠径ヘルニアを発症します(遺残した腹膜をヌック管と呼びます)。

通常、この腹膜鞘状突起は出生までに自然に閉鎖して消失しますが、閉じずに残ってしまう場合があります。このような場合、腹腔内の腸などの内容物がこの突起内に入り込むことで、鼠径ヘルニアが発症します。

小児の鼠径ヘルニアの症状

小児鼠径ヘルニアの代表的な症状は、太ももの付け根(鼠径部)にピンポン球のような柔らかい膨らみが現れることです。この膨らみは、立っている時や泣いたり咳をしたりして腹圧がかかったときに大きくなり、横になるか力を抜くと自然に引っ込むのが特徴です。
その他の典型的な症状として、以下のような特徴が見られます。

鼠径ヘルニアの主な症状

鼠径ヘルニアの症状

鼠径部に柔らかく触れる膨らみが出現する

腹圧がかかった際(泣く・咳をする・排便時など)に膨らみが大きくなる

手で軽く押す、または横になることで膨らみが引っ込む

長時間の立位や歩行で、鼠径部に違和感や痛みを訴えることがある

お腹の張りや軽度の腹痛を感じることがある

小児の鼠径ヘルニアの治療法

鼠径ヘルニアの治療は、小児・成人を問わず、年齢に関係なく手術が必要です。自然に治ることはなく、放置すると嵌頓(かんとん)などの合併症のリスクがあるため、早期の治療が推奨されます。

小児の鼠径ヘルニアに対する手術法には、「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」の2つの方法があります。

鼠径部切開法

鼠径部切開法

鼠径部切開法は、従来から行われてきた小児鼠径ヘルニアの標準的な開腹手術です。手術では、鼠径部に約2cmの皮膚切開を置き、袋状になった腹膜の突出部(腹膜鞘状突起)を根元で縛ることで臓器が脱出しないようにします。鼠径部切開法の利点は、手術時間が比較的短く済むことです。ただし、反対側(対側)に潜在的なヘルニアがあった場合、それを手術中に確認・処置することが難しいという制限があります。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術

鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術は、傷が小さい、また社会復帰が早いというメリットがありますが、小児で行われる手術は、成人と異なりメッシュを使用しません。

現在、幼少期の鼠径ヘルニアに対して、LPEC法(腹腔鏡下に腹膜を糸で縛って閉じる方法)による腹腔鏡手術が広く行われております。幼少期や成長期の患者様においては、成人の鼠径ヘルニア手術で用いられるメッシュ(人工の被覆用シート)を使用することなく、糸を用いて腹膜を縫い閉じることによりヘルニアの根治が望めます。

当院では、一部の若年女性や未成年の患者様に対して、この腹腔鏡手術(腹腔鏡下組織修復法)を行っております。この手術では、3-5mmの小さな傷からカメラと専用の器具を挿入し、腹腔内から溶ける糸を使用して、腹膜の切開と縫合閉鎖を行います。数ヶ月かけて糸が溶けた後には、最終的に異物は完全に消失します。また、両側の鼠径部を同時に観察できるため、対側に無症状の潜在ヘルニア(将来的に発症が予想される病態)がある場合、同時に処置が可能です。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は、皮膚切開が小さく、術後の痛みが少ないことから、回復が早く整容性にも優れているとされています。ただし、腹腔鏡手術に対応した設備と、熟練した医師の技術が必要であるため、実施可能な医療機関は限られるのが現状です。

小児鼠径ヘルニアの早期治療の重要性

小児鼠径ヘルニアの早期治療の重要性

小児の鼠径ヘルニアの中には、痛みを伴わないことも多いため、「少し様子を見てもよいのでは」と考える保護者の方も少なくありません。しかし、放置していると、「嵌頓」と呼ばれる重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。

嵌頓とは、脱出した腸などの臓器が、ヘルニア門と呼ばれる出口部分で締めつけられて元に戻らなくなる状態です。この状態が続くと、腸などの臓器への血流が途絶え、壊死(えし)に至る恐れがあります。壊死が進行した場合は、緊急手術が必要となり、お子さまの身体に大きな負担がかかることになります。

また、治療を受けずに成人を迎えられた場合、特に男性の患者様において、鼠径ヘルニアが陰嚢に達するなど、来院時に既に進行した状態にあることも少なくありません。この場合、成人鼠径ヘルニアの標準術式であるメッシュ法の適用となります。一方で、成人を迎える前に治療を受けることは、異物であるメッシュを使用することなく、治療を終えられる見込みが高まる可能性があります。

このようなリスクを避けるためにも、小児の鼠径ヘルニアが疑われる場合には、早期に専門医を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

当院で行う治療とその特徴

当院では、中学生・高校生(12歳〜18歳)のお子さまを対象に、内視鏡(腹腔鏡)を用いた「腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術」による日帰り手術で、鼠径ヘルニアの治療を行っています。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は、お腹に小さな穴をあけてカメラと器具を挿入し、体の内側からヘルニアの原因となる部分(ヘルニア門)を縫い閉じる治療法です。傷が小さく、術後の痛みや体への負担が少ないのが特徴で、日常生活への早期復帰が期待できます。

当院では、お子さまの身体にできるだけ負担をかけず、安全性と確実性を重視した手術を行っています。術前の説明から術後のケアまで、消化器外科専門医と麻酔科専門医が連携し、一貫して対応いたします。ご家族の不安にも丁寧に寄り添い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

01

鼠径ヘルニア専門クリニックによる内視鏡日帰り手術

当院は、鼠径ヘルニアの内視鏡(腹腔鏡)手術を専門とする日帰り手術専門クリニックです。鼠径ヘルニアに特化した診療体制を整えており、これまで数多くの手術を通じて経験と技術を蓄積してきました。
この専門性により、お子さま一人ひとりに合わせた丁寧で質の高い治療を提供しています。

02

お子様に配慮した「痛みの少ない」「安全性を重視した」
手術体制

当院では、日本消化器外科学会認定の消化器外科専門医と、日本麻酔科学会認定の麻酔科専門医が連携し、手術・麻酔・術後管理まで一貫して行います。
中学生・高校生の小児に対する鼠径ヘルニア手術でも、できる限り痛みが少なく、身体への負担を抑えることを目指しています。安全性への配慮も徹底し、保護者の皆さまにも安心していただける環境を整えています。

03

通院3回の短期間治療で早期社会復帰を実現

当院の治療は、初診・手術・術後診察の3回の通院で完了するのが基本です。また、早期治療のご要望に応じて多くの手術枠を設けており、初診から手術までの待機期間が短く、手術日もご都合に合わせやすくなっています。
実際に、初診から数日以内に手術を終えられるケースもあり、早期の回復・学校生活へのスムーズな復帰が可能です。

04

大阪駅から徒歩3分の好立地で土日祝も診療

当院はJR大阪駅から徒歩3分、大阪梅田ツインタワーズ・サウスの13階に位置しています。また、平日だけでなく土曜日・日曜日・祝日も診療を行っています。学校や習い事などで平日の通院が難しいお子さまでも、無理なくご来院いただけます。

05

完全予約制で待ち時間を最小限に

当院は完全予約制を導入しており、受付から診察までスムーズなご案内が可能です。お子さまや保護者の方のお時間を大切にし、待ち時間を最小限にした快適な診療環境の提供に努めております。

院長メッセージ

岩村宣亜医師

医療法人大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック

院長

いわむら せんあ岩村 宣亜

鼠径ヘルニアで当院を受診される10代や20代の患者様は、決して少なくありません。幼少期から年月をかけて少しずつ進行することで、通常、来院時には既に一定の進行が認められます。「昔から鼠径部の膨らみに気付いていたが、親から様子を見て良いと言われた」「病気だということに気が付かなかった」というお返事を伺うたびに「なんとか早期の介入は出来ないものか」と考えさせられます。

鼠径ヘルニアは一旦発症すると、自然治癒は見込めません。脱出した腹膜がお腹の中と外を繋ぐトンネルを作ってしまうと、トンネルが自然閉鎖することがないからです。特に男性の場合は進行が速く、20代の患者様でも陰嚢に至るヘルニアを見かけることは珍しくありません。

原則として、成人以降の鼠径ヘルニア治療ではメッシュ法が適用されます。メッシュ法は標準治療であり、現時点でメッシュの長期留置に対する明確なデメリットは指摘されておりませんが、若年者に異物を用いることは、その後の余生において留置期間が長くなることを意味します。

このように、鼠径ヘルニアを未成年のうちに治療することは、一定のメリットがあると考えます。様々な疾患で早期発見・早期治療の重要性が叫ばれる時代ですが、鼠径ヘルニアも例外ではありません。
鼠径部の膨らみやしこりでお困りの患者様や親御様は、ぜひ一度お気軽にご相談下さいませ。

治療の流れ

初回受診(ご予約、診察、治療方針の決定)

1. ご予約

受診の申込は、お電話もしくはWeb予約を通じてご予約をお願いします。受診するかどうかを検討中の方には、LINEでの無料相談も受け付けております。

診察日~手術前日

2. 初回受診(診察、治療方針の決定)

初回受診時には、医師の診察を経て治療方針を決定します。鼠径ヘルニアと診断し治療が必要と判断され、当院での治療をご希望の場合、同日に手術予定日を決定します。
(※検査などの都合上、一部の患者さまにおいて手術前の診察回数が増える可能性があります)

二回目受診(手術当日)

3. 二回目受診(手術当日)

ご来院後、まずは体調確認を行い検査着に着替え、手術室へと移動していただきます。手術時間は、前後の麻酔を含めて約1時間半程度です。手術後は、当院で十分に休息をとっていただき、飲水や自立歩行が可能であることを確認した上で、ご帰宅いただきます。
万一手術後に問題が生じた場合は、患者さまにお渡しする緊急連絡先へご連絡ください。

手術後の経過

4. 三回目受診(診察終了)

手術から約一週間後に診察を予定し、問題が無ければ診察終了となります。経過に異常が無く来院が難しい場合は、オンライン診療のご対応も可能です。

治療費用

鼠径ヘルニアの治療は、健康保険が適用される保険診療の範囲内で受けていただくことが可能です。また、高額療養費制度を利用することで、自己負担額を抑えることもできます。当院で高額療養費制度を適用して治療を受けた場合、ご負担額の具体例は以下の通りです。

なお、お住まいの自治体でお子様を対象とした医療費助成制度がある場合は、実質的なご負担額がさらに軽減されることがあります。詳しくは、自治体の制度をご確認ください。

目安年収370万円未満:
約60,000円

目安年収370~770万円未満:
約80,000円

※高額療養費制度による払い戻しを受けた後のご負担額になります。

informationクリニック案内

大阪日帰り外科
そけいヘルニアクリニック

〒530-0001大阪市北区梅田1丁目13番1号

大阪梅田ツインタワーズ・サウス13階

アクセス詳細ページへ
06-4797-7018

診療時間

大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックの診療時間
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決済方法

現金・クレジットカード

reservation・contactご予約・お問い合わせ

当院のご予約は、電話、Web予約から可能です。またLINEによる無料相談も受け付けております。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。

06-4797-7018
       

受付時間 08:30~12:00/12:00~17:00
休診日:水曜

お電話でのご予約は、診療時間内にお願いいたします。

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