【解説】鼠径 (そけい) ヘルニア (脱腸) はこんな病気
大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックの岩村です。
当ブログに足をお運び頂き,ありがとうございます。
『そけいヘルニアってどんな病気?』
本日は、そんな疑問についてお話させて頂きます。
そけい=股の部分、ヘルニア=違う場所に向けて飛び出ること
『そけい(鼠径)部』とは、両側の股の部分を指します。
そしてヘルニアとは、元あるべき場所から違う場所に向けて飛び出ることを指します。
つまり、股の部分でお腹の中のものが外に向けて飛び出た状態を指します。
なぜ飛び出るのかというと、元来、そけい部とは筋肉が弱い場所であるため
何かのきっかけで小さな穴が開いてしまい、お腹の圧に負けて外に飛び出してしまうことが理由です。
穴が次第に大きくなり、次第に内臓脂肪や腸などが飛び出るようになります。
加えて、そけい部とは、発生過程において
・男性ではお腹の中で作られた精巣がお腹の外に出る道であったり
・女性では子宮を支える靭帯が通る道であるため
一旦穴が開き,普通は発生過程で閉鎖します。
この部位がきれいに閉じていないことが,ヘルニアを発症する原因となります。
このため、加齢により筋肉が衰える始める壮年期以降のみならず
肉体労働や便秘症,肥満や妊娠などを契機に発症したり
小児期にもそけいヘルニアを発症します。
そけいヘルニアの種類
そけいヘルニアには,大きく分けて以下の三種類があります。
(※確定診断には超音波検査や腹部CT検査が必要ですが
いずれもほぼ同じ病態なので、必ずしも鑑別する必要はありません)
・外そけいヘルニア
そけいヘルニアのうち、最も多くを占めます。
小児期(15歳以下)を含む全年齢で発症する可能性があります。
・内そけいヘルニア
加齢や前立腺の手術などにより、そけい部の筋肉が弱くなることで発症します。
外そけいヘルニアに次いで多く、高齢の方が多くを占めます。
・大腿ヘルニア,閉鎖孔ヘルニア
最も頻度は少なく、高齢女性に好発します。
かんとん(嵌頓)=手術が必要な状態です
そけい部に開いた穴はお腹の圧に負けて次第に大きくなり
ある程度の大きさになると、小腸が飛び出すようになります。
これをかんとん(嵌頓)と言い、
・腸に血が通わなくなり、うっ血や壊死を来す
・腸の内容物が通らなくなり、腸閉塞を来す
可能性があります。
また、運よくお腹の中に戻せたとしても、腸が壊死した状態で戻せば
腐った腸がお腹の中で破綻し、腹膜炎を来します。
大変危険な状態です。
そけいヘルニアの治療法は、事項で詳しくお話します
こういった理由から、そけいヘルニアの治療は嵌頓に至らないよう
無症状のうちに行う必要があります。
本日は以上です。
長文ご一読いただき、ありがとうございました。
大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック
岩村 宣亜
(出典:日本ヘルニア学会)
鼠径ヘルニアの治療は当院を受診ください
JR大阪駅から徒歩3分の大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニックでは、鼠径ヘルニアを内視鏡(腹腔鏡)による日帰り手術で治療しています。
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